オピニオン
2020年2月10日
先祖供養を怠れば…
日本では昔から「節目」ごとにさまざまな季節の行事が行われてきた。春が来れば花見に出かけ、秋には名月を愛でる。大自然の中に生かされている自分の命に立ち返るため。単調な毎日の中で、大自然の息吹を感じる行事を作ることで、心をリフレッシュさせると共に規律を正してきた。多忙という理由から歳時記を蔑ろにしてしまいがちになる。だからこそ、お仏壇を中心とした信仰生活を意識的に執り行う必要がある。お仏壇を拝む習慣のある家は、仏さまを拝む親の姿を見て子が育ち、親を大切にする心を備えるため栄える。ご先祖さまを敬う気持ちが伝われば、ご先祖さまの霊は家族を見守って下さる。また「今日も頑張るぞ」という自分自身の戒めにもなる。感謝の気持ちがあれば、その念は故人の魂に必ず届く。この真っ直ぐな気持ちこそが家内安全、無病息災に繋がる。人生は1日1日の積み重ね。お仏壇に手を合わせ「有難うございます」と独り言。
(富山県布教師会長・谷川寛敬)