オピニオン

2019年2月10日号

中山法華経寺の大仏修復完了

千葉県市川市大本山中山法華経寺で進められていた関東三大仏と言われる1つ「大釈迦牟尼仏坐像」(=以下「大仏」)の修復が完了し、お釈迦さまの成道会にあたる12月8日に落慶法要が営まれた。修復費用を寄進した檀信徒ら約1千人が参列し、新井日湛貫首とともに慶事を祝い、国重要文化財指定に期待を寄せた。
重さ約2・4㌧、高さ約3・4㍍、蓮台を含めると4・4㍍の高さになる青銅製の大仏は、享保4年(1719)に富士山の噴火や病気の蔓延を憂い、当時の貫首が「国家の安泰と万民の安穏」のために発願。江戸六地蔵を手掛けた江戸神田の鋳物師・藤原正義が製造したという。今回の修復は大仏表面の緑青が浮き出ていたほか、東日本大震災で基壇の石垣が動き、大仏と蓮台含めて前方へ傾いたことにより倒壊の危険性があったため行われ、一昨年4月から2年をかけて延べ1600人が関わる大工事が行われていた。また新たに大灯篭が1対建立された。
法要は開眼の修法、声明や雅楽による音楽、色とりどりの華葩が舞う散華行道により参列者とともに完成を寿いだ。村越祐民市川市長は「大仏さまが市民を見守ってくださると思う」と祝辞で述べた後、新井貫首が挨拶に立ち、「この大仏さまをはじめ、日蓮聖人のご遺文がたくさん恪護してある聖教殿を国重要文化財にしたい。この市川市を文化都市にすることが私の願い」と語った。
2019年は大仏造立から300年の節目となる。
当日は祖師堂で普段は公開されていない狩野柳伯筆「大涅槃図」、長谷川等誉筆「成道会図」、銅製の「秘仏誕生仏」が特別公開され、約2千人が拝観した。

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◆ヒヨドリの親子

やんちゃな娘に手を焼き、気分転換に…と思い、庭に出るとヒヨドリの親子がいた。境内にはさまざまな鳥がやって来るが、昨年はヒヨドリが庭で子育てをしていた。卵を暖め、せっせとヒナに餌を運び、飛び方を教え、巣立ってからもつかず離れず餌の捕り方を教えていた。誰に習ったわけでもないのに…と、その見事な育児ぶりを感心して見ていた。「どうして学校では子どもの育て方を教えてくれなかったのかな…」なんて愚痴を言っている自分が恥ずかしくなった▼言うことを聞かない子どもにイライラし、子育ての意味を見失っていた私に「子どもが元気に巣立てばいいじゃない♪」、ママヒヨドリはそう言ってくれているようだった▼子どもに「こうあるべき、ああなって欲しい」、つい理想を押し付けてしまうが、そう、子育ての目的は子どもを独り立ちさせることだった。では独り立ちとは何だろう? 〝誰の力も借りずに1人で生きていく〟ことだろうか。生きとし生けるものは皆、生を受け、他の命をいただいて命を繋ぎ、太陽の光を浴びて成長する。全てが支え合って生きていることを知り、その恩に感謝して生きられることが本当の意味での独り立ちなのかもしれない▼きっとヒヨドリはかつて親鳥にしてもらったように子育てしているのだ。私も母からの愛情をしっかりと受け継ぎ、改めて母を倣って子育てに向き合っていこうと思う。(蛙)

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2019年2月1日号

災害と共助の心

大きな自然災害が相次いでいる。西日本の豪雨での被災者が未だに仮設住宅で苦労されているという時、瀬戸内海では大切な橋が破壊されて不便な生活を強いられるという災害も起きた。九州以南の島々を含め、火山の噴火が相次ぐようにもなっている。報道されないものまで含めると世界ではマグニチュード6程度の地震は1週間に数回起きているという。これらの災害がマスコミで報道されると、若い人たちが現地にはせ参じるという素晴らしい風潮が全国にできあがっているのは、老僧としては頼もしい限りだ。
ところが、あまりにも次々に災害が起きるので、新しい事件事故の話題がクローズアップされると過去の災害に関する報道頻度が急激に低下する。ほとんどの情報をテレビやラジオに頼ることの多い我々は、以前の事故はもう解決済みであるかのような印象を受け、忘れ去ってしまうことが多い。
被害の大きさはニュース性にも比例するらしく、1万人の被災者と数人の被災者とでは扱いが大きく異なる。しかし、それら事件事故の個々の被害者にとっては苦しみに変わりはない。縁のある誰かがいつも見守っている必要があるだろう。
今年7月23日、ラオス南部のアタプー県で建設中だったセ・ピアン、セ・ナムノイダムが崩壊し、多くの犠牲者と行方不明者を出した。例によって日本での報道は微々たるもので、事故そのものを知らない人も多い。こちらは天災というより人災の要素が多いのだが、被災者から見ればそれはさしたる問題ではない。
10日後には早速現地に出かけ、情報を入手して自ら主催するNGOで募金活動を始めたところ、宗門寺院や僧侶、檀信徒も含め多くの人たちに協力をいただき、2ヵ月で340万円にもなった。これは現地で小さな小学校の校舎を建設できる金額だ。今後もアフリカや中南米などでも同様の出来事が起こりうるが、その時にはぜひ、そこに縁のある方や団体に動いていただきたい。その時、僧侶が先頭に立ったらどれほど力強いことだろうか。
まだ社会に支持されている仏教が、生きている人たちのために動いている姿は、未来を変えるかもしれないとさえ期待している。
それにしても自然災害が多すぎるので、「人間は罪深く生まれてきた」とするキリスト教思想の原罪意識の影響から、全て人間が悪いと考える人もいるのだが、仏教徒にその価値観は不要だ。
仏種が具わっている全ての生物の根本は「善」なのである。それでも、我々の行いにどこか間違いがあるのではないかという自省も大切だが、最近の異常気象は地球が宇宙規模の影響を受けたことによる気候変動の一環であり、人間如きが対処してどうなるというものでもないそうだ。そんな中で私たちにできるのは助け合うことだろう。同じ宇宙の細胞として生きる同胞に手を差し伸べようではないか。祈りは実践があって初めて叶うものだ。身口意三業の受持とは、お題目の唱え方を言うのではない。成仏は誰もが平和に生きられる世界が実現したときに得られるものだ。
「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してゆくことである。われらは世界の誠の幸福を索ねよう。求道既に道である」(宮沢賢治)
(論説委員・伊藤佳通)

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今年の1月13日の御年頭会の日も晴天にめぐまれました。

日蓮聖人の新年初の月命日はいつも晴れます。

みなさま今年もお元気でがんばっていきましょう!

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