ひとくち説法

2022年2月20日号

無くならない

60代半ばの檀徒さんが亡くなりました。このお宅は4世代同居。毎週七日忌の供養に出向くと、何かしらかわいらしいお供えがあります。
仕事や学校で家族が出払った家の留守番は90代の曾祖母さん。供養の後、お茶を飲みながら、「毎日、曾孫がお水をお供えして、おリンを鳴らして〝お祖父ちゃん、おはよう。私が学校に行っている間、寂しいだろうからゲームをおいていくね〟とか、〝今日はかわいい絵のマシュマロ。おやつに食べてね〟とか言って置いていくのよ。時には〝あのねお祖父ちゃん…〟とか言って、10分ぐらい話しているのよ」と教えてくれました。
私は、曾孫さんの目にはお祖父さんの姿が見えているのだと思います。お自我偈に「方便現涅槃―仏さまは方便として死を示す」と説かれ、心から恋慕の思いを持てば、その前に姿を現してくださるとも。「亡くなる」は、「無くなる」のではありません。私たちの心の中に生き続けています。

(愛知名古屋布教師会長・塩田宝裕)

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2022年2月10日号

学問のスズメ

コロナ禍で、オンライン授業となった子どもたちは家で過ごすことが増え、寺や学校の行事はすべて中止となってタメ息も増えていたある日。ふと「鳥の餌台を作ろう」と思い立ち、廃材を集めて窓の前に設置した。3週間ほど経ったある朝、「チュンチュン」とひと際甲高い、弾むような声が響いてきた。スズメだ! しっかり眺めようとカーテンを開けると、ワワーッと飛び立った。シマッタ。それからはレースのカーテン越しに息を潜めるようにスズメ観察をしている。観察をしていて気付いた。決して独り占めすることはなく、餌のありかを仲間に知らせる役、仲間が食べている際の見張り役といった諸役があること。また「チュチュチュン」「ヂュヂュヂュ」などと、彼らはしっかり状況に応じた対話をしていること。他者を助けることは自分の助けでもある。私たちは意識的に行うことだが、厳しい環境に生きている彼らにとっては、それはごく当たり前のことなのだ。

(岐阜県布教師会長・天田泰山)

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