ひとくち説法
2019年8月20日号
「終活」ブームに思う
今「終活」が注目を集めています。遺された家族に迷惑をかけないよう自分のための葬儀やお墓の準備や身の回りの整理をしたり、遺産相続の計画を立てることなどがブームになっています。しかし、多くの人は、死を迎えるまさにその時の覚悟をあえて遠ざけているように感じます。限りある人生を生き通した先に死は誰にも必ず訪れます。自分の魂が肉体を離れた時、どれだけの人が自分が死んだことを素直に受け容れられるでしょうか。枕経・通夜・葬儀を通してちゃんと霊山浄土へ辿り着けると覚悟できているのでしょうか。
人生を生きている時も死出の旅路についてからも、私たちはお題目を杖とし法華経を柱として御本仏お釈迦さま・日蓮聖人に救われ導かれるのです。お題目は生死の暗闇を払い霊山浄土への道を照らしてくれる唯一の大灯明です。今生で縁を結んだお題目を自ら唱え少しでも多くの人に勧めることこそ究極の「終活」であると考えます。
(栃木県布教師会長・野澤壯監)
2019年8月10日号
ご先祖さまに「おもてなし」
東京オリンピックを1年後に控えた今年、茨城県では国民体育大会、通称「茨城国体」が開催されます。大会の基本方針は、「誠意とまごころを持って来県者に接し、全国に茨城の魅力を発信する」です。大会に参加する選手はもちろん、観戦の人にも気持ちよく来ていただき、気持ちよく帰っていただけるように、心のこもった待遇を目指しています。まさに東京オリンピック招致で話題になった「おもてなし」の心です。これで都道府県の魅力度で例年最下位の茨城の順位が少しでも上がればという期待も込められています。
おもてなしの心とは、見返りを求めず、相手を敬い、ホスピタリティの精神でお迎えすること。これは何も生きている人に対してだけではありません。ご先祖さまに対しても同様に、いや、それ以上に心もこもった「おもてなし」をしたいものです。お盆には形はもちろん、心の部分もしっかり準備をしてご先祖さまをお迎えしましょう。
(茨城県布教師会長・横川和克)