オピニオン
2024年2月1日
「あれ」についてあれこれ
令和5年の流行語大賞は『アレ(ARE)』だった。阪神タイガースの岡田彰布監督は、「優勝」と言葉にすると選手が過剰に意識するため「アレ」と言ったという。
直に言わず「隠喩」や「見立て」、あるいは「気遣い」や「忖度」に重きを置き、奥ゆかしさを尊ぶのは日本の文化によくあることだろう。
しかし、チームメイト内ならいざ知らず、「あれ」に頼りすぎて必要な伝達が疎かになることはいささか問題である。求めるにせよ伝えるにせよ、しっかりと言語にしなくては伝わらない。
法華経には「椎鐘告四方」「周聞十方國」と説かれ、先師は「音吐遒亮に文句分明なるべし」と遺されている。「解ってくれるだろう」と安易に略すことなくきちんと伝えることを心掛けたいものだ。
もし、お釈迦さまが霊鷲山で「あれをこれすれば」と説かれていたなら……………剣呑、剣呑。
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