オピニオン
2023年10月1日
お金の使い方
今年は33年ぶりという言葉が世の中をにぎわせている。日本の株価がバブル後の高値を更新したという。株価上昇により、資産が拡大し、消費も拡大、結果景気が良くなっていく流れが実現すればと願っている。
法華経には、長者が何度も登場する。さらに名医などまで含めると、財産家は繰り返し登場する。
これは何を意味しているのか。専門的・高度な知識を我々衆生に教え、導いてくれるとの意味もあるが、資産を持つ意味を説いていると捉えたい。
不労所得を嫌い、清貧を美化すべきでない。資産の多寡を競うのではなく、いかに使うか、豊かに智慧を用いるべし、との寓意として長者を登場させているのだ。今回の株高を通じてより多くの人が資産を拡大させてほしいと願うが、同時にその資産を何に使うか、いかに使うかを競ってほしいものだ。バブルの二の舞は避けてほしいのである。
(岩手県布教師会長・木村匡宏)