オピニオン
2023年8月20日
臨終のこと
当山では2月15日、お釈迦さまの涅槃会の法要を営む時に、涅槃図を掲げて読経をします。涅槃図を見ますと、お釈迦さまを中心に弟子や動物に至るまでさまざまなものたちに見守られながら臨終なさっています。わが宗の日蓮聖人も池上の地で最期を迎えられますが、弟子に見守られながらご遷化されています。
私も僧侶となり30年になります。いろいろと人の生死に関わってきましたが、最近では家族に見守られながら死を迎える人が少なくなっているのではないかと思います。さまざまな事情もあるとは思いますが、親子関係、人の関わり方に変化があると思われます。私自身は多くの人に囲まれ死を迎えたいと心から思っています。生を受けた時から死は必ずやってきます。皆さまは本音でどう思っているでしょうか。信徒は家族や周りの人には迷惑をかけたくないといいますが、「本心でそういっているのだろうか?」と思います。
(福島県布教師会長・大越一優)
