オピニオン
2022年5月1日
「幸せ」の在処
「私たちは幸せになるために生まれてきた」といわれる。確かに、不幸せな人生を歩みたいと思う人はいない。できれば幸せを感じられる日々を過ごしたいと思うのが人情だろう。
世の中は、陰と陽、吉と凶、プラスとマイナス。両極のバランスの中で成り立っている。幸せだけの人も、不幸せばかりの人もいない。植物と植物、動物と動物。そして人と人も相関し合いながら成り立つ。人と植物でも同じこと。私たちは二酸化炭素を吐き出し、酸素を吸う。植物は、二酸化炭素を吸い込んで、酸素を吐き出す。
人は1人で生きていくことはできない。つまり私の命は、他のすべての生命を生かし、そして生かされている命といえる。では「幸せ」って何だろうか? 「幸せ」とは、人の評価によるものではない。生かし生かされる命の呼応に気づき、感謝できるなかにこそ、本当の「仕合わせ」が息づいている。
(富山県布教師会長・谷川寛敬)