オピニオン
2022年4月20日
大曼荼羅御本尊
文永10年(1273)7月8日、日蓮聖人は、佐渡島の流罪地一谷で、日蓮宗の正式な本尊である「大曼荼羅御本尊」を始めて書き顕されました。同年4月述作の『観心本尊抄』に、この本尊の内容が記されています。お釈迦さまがインドの霊鷲山の頂で『法華経』をお説きになられていると、巨大な宝塔が空中に現れました。宝塔の最上部の扉が開き、中から多宝如来が現れ、お釈迦さまの『法華経』が真実であると証明されました。お釈迦さまは、宝塔の多宝如来の右側に座られると、末法の世の中に『法華経』を弘める者を募りました。地面から無数の菩薩が涌出でると、代表の4人の菩薩が、お釈迦さまから、末法の任務を託されました。この様相(虚空会)を、空中に浮かぶ多宝塔を「南無妙法蓮華経」で表し、仏菩薩を文字で表現したものが、「大曼荼羅御本尊」です。本年は文永10年から750年。昨年の妙照寺焼失から、新たな復興を望む年となります。
(新潟県北部布教師会長・小瀬修達)