オピニオン
2021年4月1日
コロナ禍を生きる
仏教には慈悲という言葉があります。この慈悲の「慈」とはすべての人びとに対する親愛の精神、「悲」とは多くの人の苦しみを共に感じ、その苦しみ癒やすことであります。
今、世に中はコロナウイルス禍の真っ只中にあり、このいつ終わるとも知れないコロナウイルスに、体だけではなく、心までもむしばまれ、多くの人に対し、誹謗中傷が横行する毎日が続いております。
草木が芽吹き、春の足音が聞こえてきました。ですが、私どもの心は迷いの中にあり、寒い冬のようであります。日蓮聖人は「法華経を信ずる人は冬の如し。冬は必ず春となる。いまだ昔より聞かず、見ず、冬の秋と返れる事を」と述べられております。
私どもは多くの人に対し、親愛と苦しみを共に感じる慈悲の心を持って、お題目を唱え、コロナウイルスの終息である安穏な春を待ちましょう。
(青森県布教師会長・工藤裕雅)