オピニオン
2020年9月20日
「敬い」
昔から、人は目に見えないものに対して恐怖心を抱きます。そしてその恐怖心をおさめるために、仏さまや神さまにお願いし、敬い、大切にしてきました。一方、現代の私たちは目に見える形、物を信じ、自分にとって都合がいいものか、悪いのか、また得なものか、損なのかで物事を判断し、都合がいいもの、得なものばかりを追い求め、目には見えないものや、自分にとって都合の悪いものは、ないもの、なかったこととして考える傾向にあります。
これは、仏さまや神さま、ご先祖さまへ対しての想いにも同じことが言えます。自分の都合で信じ、頼っていませんか。普段からの心持ちはどうでしょうか。常日頃から、目に見えない存在、仏さまや神さま、ご先祖さまの存在に、畏敬の念を抱き、大切にしていかなければなりません。この心掛けが、私たちの心をたくましく育て、敬う心を育むことに繋がります。
(山口県布教師会長・藤井慎一)