オピニオン
2020年4月20日
まていな心で
「正絹の衣って、何年くらい持つものですか」。法衣店に聞いてみると、「普通に使っても50年くらいは持ちますよ」という答えにびっくり。
東北以北では、丁寧な仕事などを「まていな仕事」という表現をする。訛って「マディ」、「マデ」といういい方をするところもあるが、意味は同じだ。漢字をあてはめると、「真手」という説もあるという。まごころを込めた手(仕事)ということになろう。前述の法衣についていえば、「までいな(真心こめた)絹の織りなどの職人仕事」ということになろうか。
「なるほど」と頷けるのも、現在着ている紫衣は先代の購入した衣で、背丈が同じなため着ているが、40年以上たった今でも、さほど汚れてもいないので現役で働いてもらっている。
日々の唱えるお題目も、来年に迎える降誕800年も、まていな(真心を込めた)心で唱え、迎えたいものだ。さらにその輝きが増し続けるように。
(北海道南部布教師会長・山本光明)