オピニオン
2020年3月20日
台風が去って
数年前の台風で、自坊の裏山の木々もたくさん被害に遭い、かなり多くの木が折れたり、倒れたり、それは大変でした。
被害状況を確かめるため見回っていますと、私の背丈の半分くらいの木が何事もなかったかのように立っているではないですか。横では杉の木が何本も倒れている中で不思議な光景に見えました。「よし、もう少し広いところに移してやろう」と思い立ち、スコップで掘ったところ、かなり広い範囲に根が伸びているではありませんか。「ああ、だから倒れなかったんだ」。きっと下のほうも深く根が張っているに違いない。
大変な作業になると思い移すのをやめました。根は信仰と同じだな。広く深くすれば、地上から上の部分は、びくともしないんだなと感じました。人生は晴れの日ばかりではありません。時には台風のような日もあります。信仰という大きな根を張りましょう。
(福井南部布教師会長・遠藤建峰)