オピニオン
2019年12月10日
心の成長
私たちは毎日何が起こるかを予想しながら生きています。これは少しでも安全で快適な生活を送る上で不可欠なことです。しかし結果ばかりに囚われて一喜一憂しているだけでは心は成長しません。さまざまな出来事には必ず成長するための課題が込められています。それを克服するには事実と向き合い、受け容れるほかありません。日蓮聖人は「苦をば苦とさとり、楽をば楽とひらき、苦楽ともに思い合わせて南無妙法蓮華経とうち唱え居させ給え」とお示しです。すべての出来事は自分自身の成長に必要なことであり、無駄なことは1つもなかったと気付き、仏さまに身を委ねてお題目をお唱えできた時、心の不安は消え大きな安らぎに包まれます。それが受け容れられた証です。現在に至るまでの出来事すべてを必要なことだったと思えば、即ち自分自身を受け容れたことになります。都合の良いことも悪いことも、受け容れられた分だけ私たちは成長するのです。
(愛知県尾張布教師会長・伊藤友秀)
