オピニオン
2019年11月10日
仏教は数え年
葬儀の後でお孫さんから質問を受けました。
「亡くなったお婆ちゃんの年齢が違っているのですが…」と。そこでお斎の席でこんな話をさせていただきました。
私たちの肉体は生きているか、お骨になるかのどちらかです。しかし、私たちの魂は4つの世界を経て仏さまの国へと向かいます。それを四有といいます。生有(お母さんのお腹の中にいる期間)、本有(肉体と共に暮らす期間)、死有(死が訪れる瞬間)、中有(四十九日の旅の期間)の4つです。
一般的に使われる満年齢は、肉体と共に暮らしている期間、すなわち出産から死が訪れるまでの本有の世界の年齢を指しています。仏教では魂として生きた4つの世界の期間、つまり、お腹の中で生命が育つ期間(およそ十月十日)と、死が訪れた後の四十九日を合わせた約1年を満年齢に加え、いわゆる「数え年」という年齢を今も大切にしています。
(長野県布教師会長・大橋一雄)
