オピニオン
2019年6月10日
回向の心
「情けは人の為ならず」という諺があります。
昨今では多くの方が「情けをかけるのはかえってその人の為にならない」という間違った意味で覚え、使っているのが大半と文化庁の調査で分かっております。本来の意味は「人に情けをかけることは、巡り巡って自分に帰ってくるのですよ」という意味であります。
なるほど、お釈迦さまも同じことを仰っております。「回向というのは自分自身のためにするのではない。自分の行った善行を、他人に勧め施すことを言うんだよ」。誰かのために行う善行は自らの心を磨く手段であります。日蓮聖人も「深く信心を起こして、日々に南無妙法蓮華経と唱えることが心を磨くことだよ」と仰っております。
日常における1つひとつの行い全てが、法華経に通じているのです。その気持ちを持って人に接していれば、必ず自分にその善い行いが帰ってきます。今日も一緒にお題目を唱えて生きましょう。
(千葉県東部布教師会長・張田富田)
