オピニオン
2019年5月10日
良薬
ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑さんは免疫療法という画期的ながん治療を発明しました。本庶さんの研究をもとに開発された、がん治療薬オプジーボは、異物を攻撃する免疫の仕組みを利用し、免疫ががんを攻撃し続けるようにする薬です。化学療法、手術、放射線治療に免疫療法が加わったのです。本庶さんは「免疫療法によって生き延びられたというがん患者に出会うと報われたと感じます」「この治療法が広まり、地球上の全ての人が、恩恵を受けられることを願っています」と語っています。
如来寿量品に良医の譬えがあります。医者が外出している時、医者の子どもたちは毒を飲み、苦しんでいます。留め置いた良薬を飲み、子どもの病気は治ったという譬えです。良医はお釈迦さま、子どもたちは凡夫、良薬はお題目。毒はむさぼり、怒り、愚かさのことです。お互い拝みあい、安穏な社会づくり人づくりに努めましょう。
(神奈川県1部布教師会長・鈴木浄元)
