オピニオン
2018年7月1日
「陰徳」を積む
私どもの寺は檀家のお墓が境内にあります。朝勤が終わり、境内墓地を読経しながら回り始めて20数年になります。お墓参りも徐々に増え始めて毎日多くの檀信徒がお参りに来られます。暑くなればお墓の花もすぐに枯れてしまいます。花立ての水を入れ替えるために朝夕来られる人も増えました。残った花はバケツに入れて残されており、来た方は自由にいただくことができます。
境内の日蓮聖人の銅像や歴代のお墓なども、ある檀家さん夫妻が毎日水替えや傷んだ花の差し替えてくださいます。花の栽培から始め、定期的にお花をお供えして下さっています。お寺に来られる人々は気持ち良くお参りをされています。
人を喜ばせれば、その人の喜びと感謝の念が自分に跳ね返り、自分が幸せになれるのです。「陰徳」という言葉があります。これは人に知られず積んだ徳のことです。「陰徳」は孫の代までつづく徳です。「陰徳」を積みましょう。
(兵庫県西部布教師会会長・井本学明)
