オピニオン
2018年3月10日
仏になる「道」
華道、茶道、柔道、剣道等には「道」という言葉がつきます。この道を進んでいったら必ず目的に到達できる。それはその道に堪能であるが故の人間的完成でしょう。これらの、もともとのイメージは「仏道」から来ているのでしょう。仏道とは、仏になる道です。お釈迦さまは、「真理」を伝えようとされました。でもそれはカタチがないものだから、なかなか伝わりません。それで真理をカタチにたくして伝えようとしました。それが修行とか作法と呼ばれるものです。その道を歩いて行けば必ず目的地に行ける。正法時代・1千年、カタチも目的も1つでした。像法時代・1千年、カタチだけ残りました。これを形骸と言います。末法時代・万年続きます。その形骸さえもなくなってきます。私たちはそんな時代の中で、お釈迦さまが用意してくださった法華経に出会うことができました。「南無妙法蓮華経」を唱えるということは、そのカタチと目的がひとつの行為なのです。
(京都府1部布教師会長・大西秀樹)