オピニオン
2017年9月1日
お塔婆は故人への手紙?
毎年、ご両親のご命日近くに4姉妹4家族で、お参りに来られる東京のお檀家さんがいます。
当然、お塔婆を4基お建てになり、お線香を手向けます。ある時、私のご回向が終わると長女さんが「お塔婆は母への手紙なんですよね」と。
塔婆は古代インド語のストゥーパを音訳した、卒塔婆を略したもので、お釈迦さまのご遺骨(仏舎利)が納められた塔は、日本に伝わり五重塔にまで発展しました。その想いは故人への追善供養のために、細長い板の上部に4つのきざみを入れ五重に型どり、板塔婆になりました。
日蓮聖人も「過去の父母も彼の卒塔婆の功徳によりて天の日月が如く浄土を照らし…」と塔婆供養の功徳をお説きになられ、塔婆を建て合掌礼拝された方にも功徳が得られるとのご教示です。
お塔婆を建てた方の功徳も故人に廻り、ご成仏の道を歩まれるのですから、心のこもった何よりも尊い「お手紙」に間違いないのでしょう。
(山梨県3部布教師会長・柏原啓修)