オピニオン
2017年3月20日
心の持ち方次第で
昨年亡くなられた渡辺和子さんの講演を聴き、大変印象に残ったエピソードがあります。
彼女は20代後半、アメリカの修道院に入りました。その時、与えられた仕事は100人以上いる修道女のために食堂の食器を置くだけの単純作業でした。彼女は「なんで私がこんな仕事を」と思いながら食器を置いていました。そこに、修練長がやってきて「ワタナベ。何を考えてやっているの?」と聞くので、「何も考えていません」と答えたところ、修道長は「あなた。時間を無駄にしているわよ。みんなの幸せを祈りながらやってみては?」と言われたのです。そこで渡辺さんは「お幸せに」と祈りを捧げながら置くようにしてみたところ、心の持ちようが変わったそうです。日蓮聖人も「夫れ浄土と云うも地獄と云うも外には候はず。ただわれらが胸の間にあり」と仰っています。私たちも心の持ち方ひとつで地獄にも仏にもなります。お題目を唱え、いつも仏心を持ちたいものです。
(東京都西部布教師会長・吉田教理)