オピニオン
2016年11月20日
お題目はお天道さま
子どもは成長していくと、大好きだったお父さんお母さんにだんだん素直になれなくなります。でも親離れしていく上で大事なことです。ある父子家庭の信者さんの話です。「私の話も聞かないで、いつも仏頂面でお題目ばかり唱えているお父さんなんか大っ嫌い!」。ちょっと早く大人になった女の子は高校から県外に出て親離れをしました。大人になって苦労を覚え、親になり子どもを育てました。お父さんが歳をとり病気をして気づきました。小さいころのお父さんの温もりと、あの時のお題目が誰のためのお題目だったかに。「お題目はお天道さま。人と人との間にある冷たいものを溶かしてくれる」。あの時お父さんが唱えてくれたお題目。今度は私が唱える番。お父さんの病気が治りますように、そして子どものために唱えていく。今はわからなくてもいつか必ず気づくからと。「お題目はお天道さま。空を見上げればいつも温かく見守ってくれています」。
(宮崎・鹿児島・沖縄県布教師会長・吉田憲由)
