オピニオン
2016年6月10日
ものさし
農村地区にある我が寺も以前はカエルの合唱で賑やかでしたが、最近はカエルの鳴き声も聴かなくなりました。ダーウィンの言葉に「生き残るのは、最も『変化』に適応する者である」という言葉がありますが、よく引用されるビジネス訓示に「熱いお湯の中にカエルを入れる」という話があります。真偽のほどは分かりませんが、カエルを熱湯が入った鍋に入れると、ビックリして、すぐに飛び出して逃げるというのです。一方、水が入った鍋にカエルを入れて少しずつ熱くしていくと、カエルは熱くなるのが判らず、ゆであがって死んでしまうといいます。
この話には人生の重大な教訓が含まれています。私たちは現在、過去の経験や情報により物事を判断し、思い込みというフィルターをかけて過ごしがちです。常に「身の回り」を意識し、自分の「ものさし」で判断するのではなく、仏さまの智慧という「ものさし」で判断したいものです。
(兵庫西部布教師会長・井本学明)
