オピニオン
2015年11月20日
身近な人に感謝
「空気のような存在」という言葉が使われるのは長年連れ添った夫婦の間の関係を表すことが多いようです。地球上の生物は、空気がないと生きていけない「なくてはならない」ものです。でも、空気があるのが当たり前になっているので、私たちはいちいち「空気さん、ありがとう!」とは言わないように、長年連れ添い「空気のよう存在」の夫婦はそれぞれに対して「ありがとう」と言うことは少ないようです。
私は今年、40年間連れ添ってきた妻を病気で亡くしました。まさに「空気のような存在」であった妻に感謝の言葉を述べたこともなかったことが痛恨の極みとして心に刺さっています。
空気はなくなることはありませんが、なくなって、初めてその存在の大切さに気付くのが空気であれば、最初からその存在をたくさん感じていきましょう。そして、「空気のような存在」である一番身近な人にこそ感謝の言葉を。
(三重県布教師会長・冨田啓暢)