オピニオン
2015年9月10日
死ぬまで生きる
6歳の男の子の一言。「死ぬまで生きる!」可愛がってもらった祖母の死に直面して出た不思議なことばです。しかし、子どもなりに「死」をしっかり受けとめた実に意義深いことばでもあります。
バス停でのこと。「今2時半ですよね」と声をかけられました。このことばには「2時半になったらバスは来ますよね」ということばが省かれています。つまり、時刻を特定して、その時刻になると出来事は起るのではなく、出来事が起こる「時」というのはそのもの自身が運んでくるという解釈ができないでしょうか。私たち人間が関わる
すべての現象は、時計の刻時刻によって表示されるのではなく、出来事それ自身が「時」を運んでくると考えた方がより自然ではないか。「死ぬまで生きる」は、「その時」を待つことではなく正に宗祖教示の臨終を習う私たちが精いっぱいに「この時」生きることをいうのでしょう。
(静岡県中部布教師会長 ・塚本智秀)
