オピニオン
2015年7月10日
思いやる社会・合掌の心の実現
日本人のおもてなしの心は、今や世界に誇れる精神文化であり、私たちを取り巻く社会は、とても便利であり、優しく親切です。しかし、世の中が親切になり過ぎたせいなのか、個人の責任が軽視され、社会の秩序や公共のマナーを守る気持ちが薄れてきているようにも感じます。自分さえよければ他人の迷惑には無関心といった行為を目にすることが、少なくありません。
社会全体が平和でなければ個人の幸せはなく、社会全体の平和もまた、個人の小さな努力の積み重ねによってしか成し得ないものと考えます。車に乗れば歩行者を思い、電車やバスに乗ればお年寄りや妊婦のことを思いやり、公共のトイレ等は汚さぬように使用するなど、お互いが気持ちよく人生を生きるためのマナーを心掛けていきたいものです。そんな心掛けが尊い合掌の心に通じるのであり、身近な所から、「立正安国」の小さな輪がやがて大きく広がっていくものと信じます。
(栃木県布教師会長・野澤壯監)
