オピニオン
2015年2月20日
私たちは何をなすべきでしょう。
フィギュアスケートのグランプリファイナル2連覇を達成した羽生結弦選手(20)の帰国会見で、「魂」を感じました。彼は東日本大震災の被災者として、競技を続けるべきか否かの葛藤のすえ、昨年2月のソチオリンピックで金メダルを勝ち取ったことは皆さんご存じの通りです。その折りにも、さらには2大会前の中国大会で試合直前練習で中国選手とぶつかり負傷しながらも好成績を収めたときなども、「最後まであきらめない心」を私たちに知らしめてくれました。さらに帰国会見では、「ただがむしゃらに突き進むのではなく、今、自分は何をするべきか? を考え実行した」と一段階上の魂を披露したと感じました。仏教の根本を説いた七仏通戒偈は「悪を止め善を行う」という戒を授け、さらに「自らその心を浄らかにするこころ」を教えています。羽生選手もこの「浄らかなこころ」を苦しみのなかから勝ち取ったのでしょう。浄らかな心で私たちは何をなすべきでしょう。
(東京東部布教師会長・小山内功静)
