オピニオン
2014年12月20日
雪裡の想い
苦手な冬が来る。年齢を増すごとに、寒風が身を刺す。特に吹雪時の運転は不安が付きまとう。帰宅時には、南無妙法蓮華経と感謝のお題目を唱える。常に、ご守護を戴いていることを感じる冬でもある。雪は一晩たてば氷の固まり。軒下には、槍のような丸太程のの氷柱が、下を通る者を狙っているかのようだ。昨年は除雪用のスコップが犠牲になった。春まで冬眠させてあげようと、勝手な言い分で負けてしまった。冬には弱い自分。
歩けば滑って転ぶし、スパイク付きの靴が頼りになる。昔はなかった、こんな物。そう思った時、日蓮聖人の佐渡流罪が偲ばれた。「雪降り積りて消ゆる事なし―夜をあかし日をくらす」。
日蓮聖人は「坐立行、一心に法華の文字を念ぜよ」と述べられた。それを想えば、まだまだ、修行の身です。寒いがゆえに、暖が恋しく、春が待ちどおしいのです。「後生には大楽をうくべければ大に悦ばし」と精進しましょう。
(秋田県布教師会長・木名瀬了昭)
