ひとくち説法
2014年8月20日
感謝を知れば
私が家族6人で七面山に登詣させていただいて今年で6回目になります。最初の年に0歳で背負われて登った末の息子が6歳になり、自分の足で登るようになってもう3回目になりました。
私は山登りが苦手で、家族の一番最後を1時間も余計にかけて登ります。登っている時は自分が一番つらいと思っていますが、敬慎院で家族と再会して話を聞くと、それぞれのつらさがあり、自分だけではないことを毎回知ります。お互いの苦労を分かち合うと、疲れた体も軽くなったような気がするから不思議です。
七面山は罪障消滅のお山と言われていますが、つらい思いをして登ることが罪障消滅になるのではなく、誰かと辛さを分かち合い、誰かの苦労を無条件で認めることができる感謝と慈悲の心があるからこそ自らの罪障も消滅するのでしょう。
軽くなった心で、また日常を送るなかに感謝と慈悲を忘れないでいたいものです。
(愛媛県布教師会長・讃岐英昌)
