オピニオン
2014年3月10日
現世安穏
最近、領土外交問題で日中韓の関係がギクシャクしており一抹の不安を感じます。
あるお婆さんが「私には若い頃の写真が一枚もない。空襲で家も何もかも失いました。この歳になって若い頃の写真が1枚もないのは思い出さえ失ったようで大変悲しい。もう二度とあんな体験はしたくない。だから、お仏壇に向かって平和で安穏に暮らせるようにお願いしています」と言っていました。
現在の社会は戦争を経験された先人たちが安穏な社会を目指し復興させた結果です。私たちはその思いを受け止めなければなりません。
法華経に「現世安穏 後生善処」という教えがあります。現世は安穏な人生を送り、未来もまた善い処に生まれ幸いを得るという意味です。お題目を唱え、現世安穏を祈り、より一層の安穏で、平和な社会を目指しましょう。
(大阪和泉布教師会長・岡田彰慶)