オピニオン
2013年12月10日
生戒名の意味
最近、檀家の皆さんから「生戒名いただけますでしょうか」との問い合わせを受けることが増えています。主に70歳前後の方が多いのですが、理由を聞くと皆同様に残された人生の指針にしたいのだといわれるので、住職である私と相談しながら戒名を決めることにしています。
生け花を生涯の友としたい方には「華」という文字を、踊りを趣味とする方には「舞」という文字を取り込んだ戒名を授与するのです。そして、その生前戒名をご仏壇に安置し毎朝のお参りの際に仏さまに、ご先祖さまに合掌するのに加えて、自ら望んで決められた戒名にふさわしい日々を送ることの誓いを立てるよう指導します。自らの死後に受け身で授与される戒名ではなく、人生の節目に自らの残された日々を共に歩んで行く存在として、菩提寺の住職との相談の上で自ら納得する戒名を自ら選び取る。超高齢社会に、よりふさわしい戒名のありように思えるのですが。
(富山県布教師会長・栗原啓允)
