ひとくち説法
2013年4月1日号
道に生きる「名」
神奈川県三部布教師会長
上谷 泰雅
「親からもらった名前があるんだから戒名なんかいらないよな」街中で葬儀の帰りらしき人たちからこんな会話が聞こえてきました。
今年一月、元横綱大鵬の納谷幸喜さんが亡くなりました。相撲史上最多となる32回の幕内優勝を成し遂げ「昭和の大横綱」とまで呼ばれました。師匠の二所ノ関からつけてもらった大鵬という四股名は納谷さんにとっては相撲力士としての戒名・法号だったのではないでしょうか。
土俵の中でも外でも昭和の大横綱として振舞った納谷さん。道を極めようとするなら覚悟が必要です。その道に生きる者にとって名前は覚悟の証、おおきな拠り所になります。
私たちは「お題目を身と心で唱え、成仏をめざし精進します」と覚悟し日蓮さまと約束したのです。手を合わせている時だけが仏弟子ではありません。「所作仏事」そのことを忘れないためにも今日も心からのお題目を唱えましょう。