オピニオン
2013年3月20日
いのちに合掌の心
「ただ見れば何の苦なき水鳥の足にひまなき我が思いかな」。水鳥は優雅に水面を進んでいるように見えるが、水面下では一生懸命に足をかいている。人も外面は平静を装っているが、内面では皆、苦しみや悩みを持ちながら生きている。
お釈迦様は苦しむ人々を何とか救い出したいとこの世に出現され、法華経をお説きになられた。お釈迦様は常に私達を見守り、救って下さる。苦悩があるから、真の幸せがわかる。そして苦悩を知ることで、他人の苦しみ・悩みが解かるようになり、優しい心で接する事ができるようになる。
私達は仏になる性質を持って生まれてきている。子供が経験を積んで大人になるように、私達も修行することでいつか必ず仏となれる。苦悩を縁として優しい心を育て(自利)その優しい心を他人に向ける(利他)お題目を唱えれば、自分の中の仏性が呼び起こされ、そのお題目は、他の人々の仏性をも呼び起こすのである。
神奈川県二部布教師会長 金子 智研