オピニオン
2020年12月10日
包含の教え
〝日蓮聖人はどうして『四箇格言』で念仏や禅、真言、律の他宗を否定されたのですか?〟
ある日、熱心な檀徒さんから尋ねられました。
それは、お題目がすべてを含んでいてお釈迦さまの真意を伝えているからですよと私は答えました。
つまり、本門の題目(南無妙法蓮華経)には念仏(南無阿弥陀仏)が、本門の本尊(大曼荼羅)には真言曼荼羅(胎蔵・金剛両曼荼羅)が、本門の戒壇(即是道場)には律戒壇(戒壇院)が、唱題行には禅止観(座禅行)が包含されている、といえるからです。
法華経にはお釈迦さまのすべての教えが統合されています。
日蓮聖人は、末法の時代にこそ、法華経が必要になると説かれました。
そのために強調されたのだと、私は理解しています。
(熊本県布教師会長・山口義人)