オピニオン
2019年10月1日
願って生まれてきた私たち
胎内記憶の第一人者、池川クリニック院長・池川明氏の講演を聴く機会があった。お母さんのお腹の中の記憶「胎内記憶」、生まれた時の記憶「誕生記憶」。お母さんのお腹に宿る前の記憶まで話す子どもがいるという。興味深いのはお腹に宿る前の記憶で、空の世界で魂として次に生まれる時を待っていて、自分でお母さんを選んで生まれてくる、そしてその近くに神のような存在がいると証言する子どもがいることだ。これを聴いた時、法華経の法師品第十の願生を説くお経が心に響いた。「私たちは全ての者を哀れみ、助けるために願ってこの世界に生まれてきた」という一節である。そしてお経文は教えてくれる。この人たちが未来において仏さまと同じ境地(成仏)になる人たちであり、その行いをすることが菩薩行であり、仏さまと同じ境地になる振る舞いであると。私たちは菩薩行をするために願って生まれてきたという自覚を持つべきである。
(山梨県第4部布教師会長・八須一成)