オピニオン
2019年8月20日
「終活」ブームに思う
今「終活」が注目を集めています。遺された家族に迷惑をかけないよう自分のための葬儀やお墓の準備や身の回りの整理をしたり、遺産相続の計画を立てることなどがブームになっています。しかし、多くの人は、死を迎えるまさにその時の覚悟をあえて遠ざけているように感じます。限りある人生を生き通した先に死は誰にも必ず訪れます。自分の魂が肉体を離れた時、どれだけの人が自分が死んだことを素直に受け容れられるでしょうか。枕経・通夜・葬儀を通してちゃんと霊山浄土へ辿り着けると覚悟できているのでしょうか。
人生を生きている時も死出の旅路についてからも、私たちはお題目を杖とし法華経を柱として御本仏お釈迦さま・日蓮聖人に救われ導かれるのです。お題目は生死の暗闇を払い霊山浄土への道を照らしてくれる唯一の大灯明です。今生で縁を結んだお題目を自ら唱え少しでも多くの人に勧めることこそ究極の「終活」であると考えます。
(栃木県布教師会長・野澤壯監)