オピニオン
2019年7月1日
仏の慈悲包まれて
「生きる」ということは「未知の世界を旅する」こと、そのためには対象の相手や私たちの命を優しく包んでいる自然(=仏さまの世界)を知る必要があります。それには知恵、知識、勇気、観察力などが重要です。自然は私たちに多くのモノを与えてくれています。自然の恩恵なしに私たち生き物は一時たりとも生きられません。しかし時に自然は猛威を奮って私たちのいのちと生活を脅かします。昨年の大水害や東日本大震災などはその典型です。その時私たちは「生身の人間の弱さ、力の及ばない世界」があることを知り、自ら宗教の必要性を悟ります。一次産業に従事している人に信仰心の篤い人が多いのも頷けます。
法華経譬喩品の「而も今この所は諸の患難多し、ただ我、一人のみ能く救護をなす」の通り、現象面の奥にある仏の慈悲=大いなる摂理に私たちは優しく包まれていることを知り、気づくことが大切でしょう。
(千葉県南部布教師会長・野坂法行)