オピニオン
2017年2月10日
菩薩行の実践
子どもの貧困率の上昇が止まらない。内閣府の統計では18歳以下の子どもの貧困率は17%にもなるという。対策は行政の責任であるが、その歩みが遅いのが何とも、もどかしい。
そこで子ども食堂の登場である。札幌で開始準備に忙しいHさんに会った。ボランティア活動であるが故に、場所・人材・費用などの確保の問題が多いことも聞いた。私も何か協力できないかと考えたが、札幌まで80㌔も離れた所に住んでいることもあり、気軽に参加できないのが悲しい。それでも自坊に上がるお供物を提供して、子どもたちに役立ててもらうことを快諾していただいた。
法華経の熱心な信仰者であった宮沢賢治の一文が頭をよぎる。「世界全体が幸福にならないかぎりは、個人の幸福はあり得ない」。
Hさんの尊い志と重なり合う。浄仏国土建立を願わずにはいられない切ないひと時だった。その実現には、私たちの菩薩行の実践以外にない。
北海道西部布教師会長・水谷寛斎