オピニオン
2016年6月1日
仏さまの教え
宇宙をずっとビデオで撮り続けます。誕生から遠い先の未来まで。それを早送りして見ると、この世で物体が存在する時間はホンのひとときでしかなく諸行無常が判ります。その娑婆世界の中でも特に地球をクローズアップして見ていると、命ある生物も命の無い物体も元素は同じモノの中から生まれては消えゆくのを繰り返しています。諸法無我とは個と他の境界が実は無いということ。
私たちは生まれてから命ある食物をいただき、親に育てられ教育を受けます。色んな出会いがあり今の自分が存在します。それはさまざまなご縁のお陰です。周りの存在は皆過去から未来まで全て繋がっているという運命共同体を認識しましょう。人間の悩みや苦しみは他者と比べるから起き、生老病死は当然だと悟ると煩悩や執着は薄れてきます。人類が自己中心から脱却し、お互いに信頼しあうと仏国土という幸せが顕現します。その実現のために妙法蓮華経を南無することが仏教なのです。
(兵庫東部布教師会長・新間智孝)