オピニオン
2015年5月1日
生かし、生かされ
現代は、物的には本当に豊かで便利になりました。物や情報も溢れんばかり、消化不良で溺れそう。反面、受け止める間もなく流れ去り、大量消費でゴミの山。手元にある物もいつしかホコリだらけ。十分に活用しない、できないままに…。
日々、万物が因と縁のかかわりの中で刻々と時をきざみ事象が推移して行きます。「活用」とは、存在価値を認識して生かすことです。一頃、外国人が「もったいない」という言葉をピックアップしました。日本人のもつすばらしい精神です。
森と同時に1本1本の木、先行きと同時に現在の足下、周囲の人々・世界との関わりを端座して見つめることが肝要でありましょう。周囲の事象や人間相互の意義を再認識し、生(活)かし、生(活)かされていく総和の世界を―これこそ立正安国。その心眼を開くのはお題目です。
(千葉県東部布教師会長・加藤紳生)