オピニオン
2014年3月20日
利益
利益と書いて「りえき」と読む人、「りやく」と読む人がいる。辞書を引いてみると「りえき」とは収入から費用を引いた残り、儲けや得。一方「りやく」は人々を救済しようとする仏神の慈悲や人々の善行、祈念によって生じる、宗教的あるいは世俗的なさまざまな恩恵や幸福、とある。今の時代お金が大事でお金があれば何でもできると思われている。しかし、人として次の3つのことは避けることができない。死ぬこと、老いること、病気になること。それなのにお金に執着する。儲けや得ばかりを追求する。「りやく」は得ではなく徳を生む。徳は死や老い、病気を受け入れることができる。徳は自分だけではなく子供や孫ひ孫、家族や知人友人にまで回っていく。日蓮聖人も「蔵の財より身の財すぐれたり。身の財より心の財第一なり」と示されている。お寺に参詣しお題目を唱え、心の財すなわち徳をたくさん積んで全ての人が幸福になれるよう努めましょう。
(大阪府三島布教師会長・佐藤光昶)