オピニオン
2014年1月10日
生老病死の憂患
法華経の中に生老病死(しょうろうびょうし)の憂患(うげん)ありとあります。特に老と病は生きている私たちが自覚できる現象であります。老いるから病が出るのか、病が出るから老いが進むのか。まさに鶏が先か卵が先か…。
古来、「人生五十年」と申します。しかしながら、現在日本人の寿命は男女とも80歳を優に超えています。ということは、それだけ病とのお付き合いが好むと好まざると長くなるということであります。視点を変えると、人生の後半30年余りは「老と病」をバランスよく付き合って生活することではないでしょうか。
病が出た時、仏さまからのご指導と気づくのか、自分の不幸と歎くのか。老いが人生の充実ととるか、それとも若い人の体力を羨むのか。人それぞれに価値観や考え方がありますが、せっかく仏さまから頂いたこの命のご縁をお題目信仰と共に生かさなければならないと思います。
(福井中部布教師会長・野村環右)