オピニオン
2013年6月1日
スー・チーさん
来日したミャンマー民主化運動のシンボル、アウン・サン・スー・チーさんは、記者会見の中で、15年以上も自分を軟禁していた軍事政権に対して、恨みを抱いていない。国民が一致団結してより良い国を作ることが私たちのなすべきことである、と美しい瞳を輝かせて語っていた。
さすがに仏教国ミャンマーである。彼女の合掌の手から光が発しているように思われた。菩薩には忍辱(にんにく。慈しみをもって耐え忍ぶ)の修行があるが、彼の国の仏教にも大乗の菩薩に通ずる実践があることを彼女が証明していた。
今、群馬の青年僧は、スー・チー事務所と協力し、ミャンマーの村々に井戸を掘り、浄らかな水を提供する仕事を始めている。
昨年11月、民主化に沸き立つヤンゴンの町で、日蓮宗寺院より預かった資金をもとに、NLD(国民民主連盟)ペン・ウー会長と調印し、東部トンワ州で起工した。交流が深まることを期待したい。
群馬県布教師会長 田代 経量