書評
2014年4月1日
『法華経の輝き―混迷の時代を照らす真実の教え』
『法華経』全28品の教えを分かりやすく解説した『法華経の輝き―混迷の時代を照らす真実の教え』(楠山泰道著)が発行された。
オウム事件と真正面から取り組んできた著者は、カルトの怖さを知ると同時に、既存の宗教が人々の期待に応えていなかったという厳然たる事実に思い至る。いま僧侶としてなにをすべきなのか著者は思い、再び自身の原点でもある『法華経』を繙いたという。そして、日蓮聖人の宗教については、「実践の中で人びとに絶対的安心を与え、教え導くことを志向。南無妙法蓮華経とは、慈悲と誓願を通しての利他行の象徴」と語る。混迷の21世紀にあって必要なものは、正しい教えと正しい行いである。
後半では「オウム真理教事件」の随想を収録。事件を振り返ることで、真実の教え『法華経』の輝きがいっそう浮き彫りとなる。巻末にはカルト対策用「参考資料」がついていて、身を守るための「危機管理対策の確立」を促す一書でもある。
(大法輪閣 本体2000円+税)
購入はこちら