全国の通信記事
2023年12月9日号
静岡中 本門寺堀が世界かんがい遺産
【静岡中】大本山北山本門寺において、本門寺堀「世界かんがい施設遺産」登録を祝う記念式典が十二月九日、富士宮市主催により開催されました。駐車場南西角に建てられた記念標柱の除幕式も併せて実施されました。当日は生憎欠席となりました貫首猊下の祝辞を鈴木春雄執事長が代読され、本門寺堀が命の水を運ぶ水路のみならず、今日では生活に必要な電力をも作り出していることに触れ、時代を超え人々に役立つ本門寺堀を次世代へ引き継ぎで行くことを呼び掛けました。
「世界かんがい施設遺産」とは、建設から100年以上経過し、歴史的・技術的価値のあるかんがい施設が推薦・登録され、日本では2023年末までに51の施設が登録されています。
祝辞
日本第一の名山・富士山が世界文化遺産となり、本年十周年の節目の年に、本門寺堀(通称北山用水)が富士宮市をはじめ、関係者各位のご尽力を得て「世界かんがい施設遺産」として顕彰して頂きましたことに、当山よりまずもって感謝し、お祝い申し上げます。
須藤秀忠富士宮市長より、本門寺堀の歴史・いわれをご説明頂いたことと存じますが、この地に渇望されていた用水路が引かれて已来四百五十年余り、先師各位の護持丹精をもって本門寺堀は今日まで整備・保全され、市内広域まで拡張・延伸されており、新たな活用の場面も広がっています。
殊に、北山・山宮の地元民で長らく引き継がれている「北山用水運営協力委員」の皆様方には、改めて衷心より感謝申し上げる次第でございます。さて、水は生命の源でございます。この地域では用水が引かれる以前は、天水等をためて使うしかなく、水田稲作も当然のことながら苦難をしてきました。それを憂えた当時の貫首・第九世日出上人が家康公にその旨を申し出て、本門寺堀が実現されました。時を経て、今日では上水道が整備され、いつでも手軽に水が飲め、使えるようになっておりますが、この恵まれた環境の中で、命の水の大切さを改めて考え直したいものです。さらに、近年では本門寺堀北山用水は、安定した水量と富士山麓である地の利を生かして小水力発電所が数多く設置され、日本一であることを誇りに思っております。富士山本門寺堀発電所、三峰川(みぶがわ)本門寺発電所等、名称にも当山の名を冠して頂いております。生活水としてだけでなく、それが今や電気・エネルギーに変わり、市民生活に重要な役割を果たしているとを想うと、仏祖先師のご加護のたまものであると報恩感謝の念に堪えません。また、世界かんがい施設遺産登録の理由には、この用水路が「クリーン・エネルギー」にも活用されていることも高く評価されていると伺いました。二酸化炭素を排出しない、地球環境を汚さない発電という意味での「クリーン」つまり「綺麗なエネルギー」と理解しておりますが、この本門寺堀北山用水路、及び流れる水も、この先百年二百年と「クリーン」な姿で、次世代に引き継がれることを願う次第であります。結びに、本日の記念式典が当山境内で開催されたことに意義を感じ、富士宮市のますますのご発展をご祈念申し上げ、祝辞とさせて頂きます。南無妙法蓮華経
令和五年十二月九日
富士山 法華本門寺根源第四十九世 旭日重
2023年11月26日号
静岡中 「高座バトル」
【静岡中】藤枝市大慶寺(大場唯央住職)にて「高座バトル」が11月26日に開催された。明治初期に作られた高座の下、日本人の生活や心に深く根付く 「説法」と「落語」を同時に聴く人気の企画で、藤枝市の東海道界隈での交流体験イベント「みちゆかし」の企画の一環として午前午後の2部共に当日券が完売となる盛況であった。今回「新」と「真」をテーマに藤枝出身の落語家で真打ちの古今亭志ん好師匠、同じく真打ちの弁財亭和泉師匠が落語の説者となり、法話には御殿場市の日蓮宗感應寺天田真寛上人、藤枝市の浄土宗正定寺神尾公洋上人が登壇し「新作落語(冷蔵庫の光)」「温故知新」「是真仏子」「真田小僧」を各々が披露し聴衆を楽しませた。
2023年11月20日号
静岡中 車返結社でお会式法要
【静岡中】宗務所(塚本智秀所長)は11月20日、宗門史跡「車返結社」にて「お会式法要」を宗務所職員と地域の護持世話人を合わせた20名と共に営んだ。
車返結社は鎌倉から身延山への道中にある霊跡であり、宗門に史跡認定されている日蓮聖人ゆかりの聖地。
地元の他宗の方たちが、法要を行う特別な日だけ「一日法華」となって護持してきたという特殊な歴史をもつ。
法要後に塚本所長は世話人の日頃の護持丹精に感謝を述べられ、また日蓮聖人の遺徳をしのび、聖人の教え・法華経の教えを後世に繋げていく重要性を語られた。