全国の通信記事
2023年7月3日号
千葉南 第24回祝祷会開催
【千葉南】7月3日に南房総市妙福寺(早島英観住職)で千葉県南部修法師会(千葉本祐会長)主催の祝祷会が開催され、17名の修法師と約40名の檀信徒が参加した。祝祷会は毎年開催されているが、コロナ禍では檀信徒を集めることなく修法師のみで行っており、檀信徒を集めての開催は4年振りとなった。会場となった妙福寺住職の早島師からは「檀信徒の皆さんと共に祈ることが出来る有難さに感謝したい」とお寺に人を集まられるようになってきた喜びが伝えられた。
2023年6月13日号
千葉南 高照寺の乳イチョウ一部倒れる
勝浦市高照寺(佐々木光道住職)の県指定天然記念物「高照寺ノ乳公孫樹(ちちいちょう)」の一部が倒れた。6月13日の朝、境内墓地の一角に根を張る乳イチョウの一部が根本から倒れ、墓地に覆い被さっているのを佐々木光道住職が発見したもの。近隣で音を聞いた人はいなかったという。倒木の下敷きとなって多くの墓石も倒れたが、天然記念物のためお寺の判断で動かすこともできず、ようやく撤去作業が始まったのは19日の朝だった。
高照寺の乳イチョウは、昭和初期に植物学者の牧野富太郎博士が樹齢1000年を数えるかと評価したことで有名な巨木。大きく横に伸びた枝や幹から、根が垂れ下がる「気根」が多数発生しており、乳イチョウと呼ばれるようになった。1000年前、乳不足に悩む母子のために法華経を読誦したという僧侶の死後、地域住民がその徳を偲んでイチョウを植えたという言い伝えがある。近年になって幹に亀裂が入る、塩害で葉が枯れるなど、健康状態が心配され、栄養を与えたり支柱を設置したりと手入れがされており、5月にも大規模な剪定を行ったばかりだった。残った3分の2ほどの乳イチョウには、今後も樹勢回復の処置が続けられる。
「お母さん方の思いと1000年生きた木を無駄にしたくない」と語る佐々木師は、倒れたイチョウの木片からお守りを作ることを考え、今後関係者と話し合っていくという。
2023年4月12日号
千葉南 上総五十座
【千葉南】勝浦市伝統の説法会「上総五十座」が、津慶寺(宇野瑞正住職)で4月12日から5日間にわたって開催され、感染防止の制限下で延べ400人の僧侶檀信徒が聴聞に訪れた。
今年の後座上人(説教師)には同じ千葉県南部から上村貞雄師(鴨川市妙蓮寺住職)が迎えられ、5日間の高座説教で日蓮聖人一代記を御入滅まで演じた。大本山誕生寺からほど近く、両親閣妙蓮寺で住職を務める上村師。高座に上がると「お祖師様のご両親の墓守をしております」と自己紹介をした。上村師が後座として五十座に招かれるのは今回で3度目となるが、見知った土地で親しい僧侶らに囲まれていても、やはり五十座の歴史の重圧は格別のようだった。
最終日となる16日は、高座説教に先立って結願法要が営まれ、4年ぶりに稚児が参加した。26人の天童稚児が着飾って練行列を行い、法要中には全員で献花をした後、宗歌『立ち渡る』と『日蓮さま』を合唱した。
上総五十座は、天文19年(1550)、池上本門寺第11世・日現上人が、本門寺と比企谷妙本寺両本山復興のため勝浦で大布教を行ったことに由来し、現在では市内の7ヵ寺(本行寺・長慶寺・惠日寺・本壽寺・法蓮寺・妙潮寺・津慶寺)が輪番で開催している。来年は勝浦市本行寺(西川佳璋住職)で開催される。