全国の通信記事
2023年2月11日号
神奈川3・小田原市蓮華寺でミニコンサート
【神奈川三】2月11日(土・建国記念の日)、小田原市蓮華寺(羽田鳳照住職)にて「かみふなかミニコンサート」が開催された。
当日は好天にも恵まれ、檀信徒や地域住民述べ130名を超える参加があった。
今回のミニコンサートは演奏形態やジャンルは問わず、運営スタッフも全て地元住民のボランティアが協力した。
昨年夏頃から開催の予告を始め、主な情報は地域での回覧板と口コミだけで出演者を募った結果、出演者・グループはオカリナ・大正琴・コカリナ・三線・バンド演奏・サックス四重奏・雅楽など計11組が出演することとなった。
当日は午前10時の演奏開始から会場となった本堂には座りきれない程の来場者が訪れ、終演の午後4時まで一日中多種多様な音楽の音色が来場者を楽しませた。
また客殿では参加者が自由に交流できる空間を設け、地元民生委員を中心としたボランティアが早朝よりおにぎりや豚汁の軽食を準備し、交流の一助となった。
企画発案者であり、自身もサックス四重奏と雅楽演奏で出演した羽田鳳竜師は「今回の企画を最初の発案したのは平成28年でした。
感染症の影響で練習を重ねても、その成果を発表する機会が失われ、同じ音楽を趣味としる人たちとの交流の場を持てずに残念に思われていることが多いのではないかと考え、紆余曲折しながらも、ようやく開催の運びとなり今日はお寺にとっても私にとっても、忘れられない大切な一日になりました。
スタッフ・出演者・来場者、全ての皆さまに感謝します。是非また来年もお会いしましょう」と最後の挨拶を述べた。
来場者からは「本堂の煌びやか雰囲気のなかで、しかも一日でたくさんの音楽を聴けて、とにかく楽しく過ごせました。久しぶりの人と交流できる空間も大変良かった。若いお坊さんが地域のために頑張ってくれるのは嬉しい」といった感想もあった。
2023年2月6日号
神奈川3 阿部宇善上人の通夜・本葬儀式
【神奈川3】2月6日(月)、7日(火)伊勢原市妙蔵寺で第38世、阿部宇善上人の通夜・本葬儀式が営まれた。阿部上人は1月24日遷化。世寿81歳。法号は泰秀院日章上人。2日間で100人以上の僧侶・檀信徒が参列した。
葬儀式は、阿部上人が50年以上奉職した大本山中山法華経寺の新井日湛貫首を導師に迎え、阿部上人が立ち上げに関わった中山雅楽会と組寺の僧侶が出座。入退堂や式の中ほどに華やかな雅楽の音色が響き、悲しみに沈む会場へ彩りを添えた。
また、葬儀式の半ばに弔辞が読み上げられた。
葬儀式の終わり、遺弟の阿部全雄住職は宇善師との思い出の中で、様々な縁を力に変えていったことや高齢になっても挑戦を止めなかったエピソードを紹介した。
そして、その生き方から「常に道を求め続けることの大切さ」や「できないことはない。努力し続ければ絶対に叶う」というメッセージを受け取ったとし、檀信徒の方と協力して妙蔵寺を護持発展させていきたいと力強く結んだ。
阿部上人は昭和18年、岩手県の一般家庭に生まれた。大学卒業後は高校の英語教師として勤務したが、修学旅行先の東大寺での不思議な出会いをきっかけに仏縁へと導かれていく。
昭和43年、北海道札幌市妙覚寺にて得度。教員を辞め、昭和47年に僧籍を取得した。以後は、大本山千葉県中山法華経寺へ勤め、書記・主事・執事を歴任。多くの弟子を育成した。
平成5年、妙蔵寺の住職に就いてからは伽藍の一新に注力し、本堂改修、庫裏新築、客殿増改築、日朝堂改修、聖徳太子堂建立を成し遂げた。令和2年、遺弟の全雄師へ住職を交代。
2023年1月29日号
神奈川3 教師研修会
【神奈川3】1月29日(日)平塚市ホテルサンライフガーデンで、令和4年度、神奈川県第三部宗務所(山﨑浩道所長)主催の教師研修会が行われた。
今年度は教化センターが担当となり、午後2時から開始。横浜市妙法寺の久住謙昭住職、東京都国立市一妙寺の赤澤貞槙住職を講師に迎え、30名ほどの僧侶が出席の下、「ゆるやかなご縁から檀信徒へ」というテーマの研修会が開催された。
久住師は檀家制度とは異なる、信徒との新しいお付き合いの形としての「会員制度」を紹介。同寺では、既存の檀家以外に3つの会員の形態を設ける。月一の読経・法話会のお知らせが届く「浄心道場会員」、年2回の寺報が届く「お便り会員」、年4回の寺報が届き年会費を納める「妙法寺会員」だ。信徒はお寺との心地よい距離感を検討の上、自ら好みの形態を選択することができる。会員数は順調に増え、法事の実施率も檀家に近づいてきたという。
赤澤師は宗門で初めての国内開教師として、無縁の地でいかに信徒を増やしていったかを講演した。布教をする中で気付いたことは、どんな人でも自分の話を聞いて欲しいという願いを持っているということ。お寺に来る人を「自尊心が満たされたいという空腹を抱えた人」と見なし、自分の話を抑えて積極的に相手の話を聞くことに努めた。また、仏事では相手の記憶へ残ることを意識し、一連の儀礼が物語として伝わるように心がけているという。講演の最後には、現代の話言葉で故人へ語りかけるようなオリジナリティの高い引導文を披露した。
講演後は予定時間いっぱいまで熱のこもった質疑応答が交わされ、研修会は盛況に終わった。