全国の通信記事
2022年6月19日号
神奈川3 平塚市隆盛寺で萩原是正上人本葬儀
【神奈川3】六月十九日(日)、平塚市隆盛寺で第三十三世、萩原是正上人の本葬儀が営まれた。萩原上人は昨年七月二十七日遷化。世寿九十五歳。法号は本覚院日淳上人。二百名程度の僧侶・檀信徒が参列した。
萩原上人は「深草元政上人への敬慕の念」に突き動かされた生涯を送られた。深草元政上人とは江戸時代前期の漢詩人であり、詩壇で「西の元政、東の芭蕉」と言われるほど著名な宗門僧侶。
萩原上人は福井県越前市の一般家庭に生まれたが、会社員時代に古書店で出会った元政上人の『草山集』へ強く惹かれ、僧侶となるべく身延山久遠寺の門を叩き出家を志した。
以来、久遠寺で九年間勤め、昭和三十四年に平塚隆盛寺へ晋山してから平成三十年まで六十年間住職として務めた。
隆盛寺へ晋山後は、寺観の整備を行い平成二十五年に一級法功賞を受賞。また、出家のきっかけとなった元政上人の遺墨・典籍を収集し平成十五年に宝物殿建立・目録出版。平成二十八年に「深草元政上人墨蹟上下二巻」「元政上人と隆盛寺」刊行。その功績が宗門内で高く評価され、翌年に望月学術賞を受賞した。
法要の導師は世田谷区妙揚寺の住職であり立正大学名誉教授、隆盛寺正干与人の北川前肇師が務め、管内声明師会・組寺の僧侶が出座。式の半ば、日蓮宗管長菅野日彰猊下(代読)・田中恵紳宗務総長(代読)・山﨑浩道宗務所長・横浜安立寺鈴木弘信師から弔辞が読み上げられ、本山妙純寺星日龍猊下の弔辞が奉呈された。
弔辞のなかでは、元政上人の研究に励み、その名を守り立てた萩原上人の功績が口々に称えられ「元政上人研究の第一人者」との声が聞かれた。
さらに、式の終わりには総代の青木三男氏・遺弟の藤井淨成師から謝辞があった。関係者への手厚い労いの言葉が投げかけられ、隆盛寺の益々の発展を担っていく決意が述べられた。
葬儀後、萩原上人の遺骨が厳粛に境内の歴代住職廟所へ納められ、葬送の儀礼は終了となった。
2022年1月24日号
神奈川3 守屋宣泰上人の通夜・葬儀式
【神奈川3】一月二十四日(月)、二十五日(火)平塚市妙安寺で第十八世、守屋宣泰上人の通夜・葬儀式が営まれた。守屋上人は同月十八日遷化。世寿七十歳。法号は顕壽院日幹上人。二日間で四百名の僧侶・檀信徒が参列した。
守屋上人は修行と学問の研鑽に励まれ、大学卒業後は声明師となり、荒行堂での五百日の修行を達成。
昭和六十一年からは妙安寺の住職を務め、以来三十五年間、檀信徒と力を合わせて境内整備に邁進した。その功績は、本堂へ新たな釈尊立像・鬼子母神像を迎えたこと、久遠堂の建立、水神堂の整備など。
また、管内への貢献も手厚く、声明師会会長・修法師会副会長・宗務所伝導事務長などを歴任。
法要の導師は大磯妙大寺の佐々木義正師で、組寺の僧侶が出座。葬儀式の半ば、田中恵紳宗務総長(代読)・山﨑浩道所長・岩田譲晃宗会議員・横浜常清寺
片山慶宣師から弔辞が読み上げられた。弔辞のなかで「僧侶は合掌でしょう」と自分が喧嘩を諫められた経験など、守屋上人との心温まる思い出が披露され、口々に感謝の言葉が述べられた。
さらに、通夜式の終わりには山﨑浩道所長より挨拶があり、通夜・葬儀式の終わりには、佐々木義正導師・筆頭総代の田代順一氏・遺弟の守屋宣覚師から謝辞があった。山﨑所長は新住職となる宣覚師に対し、「マジメで几帳面。穏やかで優しすぎるほど」と人柄や仕事ぶりへ太鼓判を押した。
葬儀後、参列者らは宣泰上人へ生花を手向け、最後の対面を名残惜しみながらの出棺となった。
2021年12月26日号
神奈川3 小田原市蓮華寺で学習支援企画
【神奈川3】12月26日(日)、小田原市蓮華寺(羽田鳳照住職)にて「学びや はちす」と題した地域コミュニティ組織との共催での学習支援企画が開催された。
感染症対策を講じ、密集を避けるために午後1時から午後4時まで「出入り自由」という参加方法とし、延べ30名の子どもたちが参加した。
今回スタッフとして地元自治会の役員・民生委員や現役小学校教師・塾講師・エンジニアなどが子どもたちへの勉強の指導者として参加した。
客殿を主会場とし、「宿題・勉強を一緒にやろう」「自分だけのお守りを作ってみよう」「駄菓子屋さんで遊ぼう」という3種類の企画を準備し、子どもたちは各々時間いっぱいまで楽しく過ごしている姿がみられた。
特に出張駄菓子屋には子どもはもちろんのこと、送迎に訪れた保護者もたくさん並べられた駄菓子に懐かしさを感じ、親子で楽しそうに会話をする姿が印象的だった。
企画立案者の羽田鳳竜副住職は「地元地域コミュニティ組織との共催ということもあり
、企画趣旨に賛同を得ることができ、スタッフとしてたくさんの方々にお力添えいただいた。様々なご縁が繋がり只々感謝の気持ちしかない。今回立案のきっかけは『子どもの学力格差』であったが、関係各所と様々な打合せをするなかで、家と学校以外の“集
い場”が少ないという課題が浮き彫りとなり、今般の企画となった。一回目の開催ではあるが、今後お寺が子どもたちや周辺地域のなかで「第三の居場所」としての役目を担える可能性があることを改めて感じた。今後も継続的に賛同者とともに地道に活動していきたい」と語った。
保護者からは「冬休みが始まったばかり子どもたちにとって冬の楽しい思い出の一つになったら嬉しい」との感想もあった。