全国の通信記事
2021年3月27日号
長崎 原城一揆死没者慰霊祭
【長崎】去る3月27日。長崎県南島原市 良国寺(楠本 霅昇住職)は、近隣日蓮宗寺院有志と共に南島原市 原城址において原城一揆死没者慰霊祭を行った。今でこそ原城址は、世界遺産に登録され観光地となってはいるが、390年前ここでは幕府軍12万5千人の軍勢によって、原城に立て籠もっていた反乱(ほぼ農民)軍3万7千人余りの人が非業の最期を迎えた城でもある。この戦により両軍合わせて約4万人の人命が失われ、農民一揆として外に類を見ない大惨事となった。この事を後世では「島原の乱」と呼んでいる。桜散る当日、晴天にも恵まれ、檀信徒・市内外民ら約90名が参列し、当地一帯に散乱していた遺骨を集め納められた「ホネカミ地蔵」前にて慰霊法要・献花が行われ、その後供物並びに死没者と同数の4万枚のお題目写経が、眼前の有明海へと散舞された。住職不在であった良国寺に、妙光寺(長崎市)より昨春から移った楠本住職は最後に「この地に住む者として、歴史的事実は厳粛に受け止め、慰霊は続けていかなくてはならない。宗教者は多いが信仰者の1人として今の時世を鑑み、もう一度考え直していきましょう」と挨拶。信仰者として・宗教者として、改めて考え直さなければならないと痛感した。
2020年1月25日号
長崎 宗祖御降誕八〇〇年慶讃講座『学び舎』
【長崎】青年会と社会教化事業協会会員10人は寒令和二年一月二十五日、長崎教化センター(昭徳寺内 森光寛センター長)主催、宗祖御降誕八〇〇年慶讃講座『学び舎』が長崎市長照寺(浅井円誓住職)にて開催され、檀信徒三〇人余りが参加した。この講座は長崎の僧侶が、日蓮聖人の降誕から臨終までを語りながら「なぜ我々に宗教が不可欠なのか?」「現代における日蓮聖人の意義」について明らかにしていくというもの。森センター長は開催するにあたり、「堂宇の整備や大法要がハード面なら、この講座がソフト面の一旦でも担えたらと願っています。なぜなら私たち一人一人が記念すべきその年を心から“おめでたい、有難い“と迎え、次世代へ伝えていかねばならぬ方として日蓮聖人を認識していなければ、たとえ立派な法要を営み、堂宇を綺麗にしても、それは一過性の形だけの自己満足としての記念に過ぎないと思うのです」と、共に日蓮聖人を学ぶ意義について語った。この講座は、全六回シリーズで、各回を佐世保・長崎・大村・島原の順で開催する。
今回は第一回目で「なぜ日蓮聖人を学ぶのか」「ご降誕~立教開宗」の各四十分の二講座がクイズや絵を使いながら分かりやすく話された。
参加者は皆一様に真剣な眼差しで、メモを取る手が休まることはなかった。
参加費は一回五百円。どなたでも参加できます。
2019年12月15日号
長崎 大村市大法寺で法灯継承式
【長崎】令和元年12月15日、大法寺(大村市)にて法灯継承式が行われた。宮村仁士新住職は、平成23年に遷化された師父上人より8年の歳月を経て、堂内に溢れんばかりの檀徒信徒に見守られながら、法灯を受け継ぐこととなった。
奉告文では、昭和15年より当地にて始まったお題目の道場より、観音結社を経て寺号公称にいたるまでの縁起を述べた。またそこに至るまで、尽力した自身の祖父母、師父上人、また道しるべとなり、多大なる力を与えたくださった佐世保市本興寺第四世永村日鵬上人、その志を引き継ぎ代務として法灯の護持に努めてきた松本玄経師(佐世保市本興寺)など有縁の人々に感謝を述べ、師厳道尊の志にて、恩に報いる為のさらなる精進を誓った。
また式典の後には、ご縁ある落語家の立川志遊師匠による祝い落語が披露され、会場はより和やかで温かな空気に包まれた。
冬の晴天の下、若き新住職の門出は、人々の笑顔と共に、まさに晴れやかなものとなった。