鬼面仏心

2019年5月10日号

■東海道の車窓から

仕事の帰り、東海道線の2階建てに乗った。なぜならいつもと違う景色が見られると思ったからだ▼人格を形成する1つに環境がある。小生の身長は180㌢だが、1㌢高くても低くても世界の見え方が違い、人格は少なからず影響を受けていただろう。2階からは、いつも満員電車に押し込まれながらも横目で見ていた景色とは全く違い、この駅のホームの上にまた別の鉄道会社のホームがあったのか、などと発見も多かった▼「世の中には絶対はない」と言う人がいる。確かに人間や自然は相対的で何もかもが移ろいゆく。例えば好きとか嫌いも相対的なもので、ある人にとっては好き、ある人にとっては嫌いとなる。もちろん同じ人でも昨日は好き、明日は嫌いとなることもある。しかし、相対的な事柄だけで人間を形成しても良いのだろうか。相対的なものを全て受け入れることができるならそれはもう仏陀であろう。たが、人間の心はいつも揺れ動く▼相対の反対にあるのが絶対という言葉だ。簡単に言えば、揺るぎない価値観で、それは日蓮宗徒にとって「釈迦牟尼仏への帰依」=「浄仏国土顕現=立正安国の実現」である。そこを生きる営みのなかで外さないことが、より人格としての芯になっていく。またそれが、相対を受け入れる心となっていく。仏と成ることを目指すとはこういうことかもしれない。(緑)

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2019年5月1日号

再建とひとつ心

4月15日、パリのノートルダム寺院が炎上した。崩れ落ちた尖塔、取り囲む群衆の涙を流し祈る姿に、衝撃を受けた。「フランス国民にとって、信仰の象徴であり、心の拠り所だったのでしょう」。ニュースを見ながら話しかけると「ウチのお寺も焼けたことがありましたよ」と檀家に返された▼改めて自坊の歴史を調べた。念仏の盛んな地で題目講を結成し、江戸時代から細々と続いてきた信仰の灯が燃え上がったのは、2度の火災のお蔭だったのかもしれない▼明治8年は、日蓮宗の総本山身延山が灰燼に帰した年である。その年、講中の集会所が火事に遭っている。同14年宗祖六百遠忌に向けて、日蓮宗の象徴・身延山の復興、そこから始まる宗門運動に歩調を合わせるように、自坊も時の住職と檀信徒が力を合わせ、11年寺院創立、13年移転・本堂建立・寺号公称している。しかし18年、村を焼き尽くす大火で類焼。被災している檀家が多かったが、翌年仮復興するも、心労のため住職は遷化。悲しみを乗り越え、新住職と檀信徒が一体となって本堂を再建した▼身延山も自坊も困難な状況が、かえって人びとの結束を生み、再建したのだった。ノートルダム寺院がそうなることを信じたい▼移民や経済格差など、フランスは今、社会的にも政治的にも分断されている。再建することで国民が1つになれたらと祈るばかりだ。(雅)

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2019年4月20日号

◆効率至上主義

我々は分単位、秒単位で動かされている。たとえば最寄り駅で1つ電車に乗り遅れると、次に乗り換える新幹線まで変更しなくてはならない。ホームへの階段をもう10秒も早く駆け下りることができたら1時間近いロスはなかったろうに、そんな思いに駆られることもある▲ロスタイム、即ち無駄な時間ということだ。無駄をなくす、効率を考えるということは、単に経済的費用対効果だけではなく、現代社会では生活のすべての場で求められている。たしかに注文した料理がすぐ出てくるのは気持ちがいい。しかし待たされたといって接客係にくってかかる、時には傷つけるなどの事件がマスコミに取り上げられる事態は見過ごせない▲はたして速さということはそんなに大切なことなのだろうか。永遠の生命を持ち私たちを見守る久遠の仏からみれば、10年も100年も大差はない。仏は、たとえ誰であろうとも全て仏の子であり、無駄な存在不要な存在はない。今生でダメなら来世。いつかは必ず仏となる存在だと説かれる▲その仏の子たる我々だ。仏と同様、永遠の時を過ごすつもりで、仏への成長過程を楽しみ日々を過ごすよう心がけてはどうか▲時代は平成から令和へと移り変わる。電車に乗り遅れないようギスギス生きるのではなく、和を以て席を譲り合える心を持つことのできる時代にしていきたいものだ。 (直)

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今年の1月13日の御年頭会の日も晴天にめぐまれました。

日蓮聖人の新年初の月命日はいつも晴れます。

みなさま今年もお元気でがんばっていきましょう!

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